多数の新サービスを発表
オンデマンド (あるいは SaaS) 業界大手 salesforce.com の会長兼 CEO (最高経営責任者) Marc Benioff 氏は、クラウドにおける同社の存在をさらに大きなものにしようとしている。 Benioff 氏は3日、同社主催のユーザーおよび開発者向け年次会議『Dreamforce 2008』(2-5日開催) において、詰めかけた聴衆に対し、Google、Facebook、Amazon.com といったクラウド関連企業との提携について語った。 また同氏は、salesforce.com が Web ホスティング サービスに乗り出すことも明らかにし、いつもの Dreamforce らしく独立系ソフトウェア ベンダー (ISP) を喜ばせた。 Benioff 氏は、長年にわたる Google との提携をさらに強固なものにしていくと述べ、続けて『Force.com for Facebook』を発表した。企業はこのアプリケーションを利用してソーシャル アプリケーション機能を組み込むことで、salesforce.com に対して投資したリソースの価値をさらに高めることができるという。 Benioff 氏はまた、salesforce.com のオンデマンド型アプリケーション開発プラットフォーム『Force.com』と Amazon.com の『Amazon Web Services』との連携についても明らかにした。『Force.com for Amazon Web Services』をインストールすれば、Force.com 上のアプリケーションから Amazon.com のオンライン ストレージ サービス『Amazon Simple Storage Service (S3)』とクラウド コンピューティング サービス『Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)』を利用できるようになる。 salesforce.com はさらに、クラウド ホスティング サービス にも乗り出そうとしている。Benioff 氏は次のように語った。「当社が提供するデータベースとデータベース サービス、そしてリレーショナル モデルを利用できる。もはや、データベースやアプリケーションを購入する必要はない」 続いて発表されたのは、バックアップおよびリカバリ サービスの提供だ。Benioff 氏は同サービスについて、「この種の作業をユーザー自身が行なう時代は終わった。当社に運営サービスを任せて欲しい」と述べた。 salesforce.com は Web ホスティング サービス『Force.com Sites』も提供する。Benioff 氏によると、Force.com には同社の顧客が開発した8万5000種類以上のカスタム アプリケーションがあり、それらを直ちに Web アプリケーション化できるという。 顧客は Force.com Sites を用い、Force.com 上で自社の Web アプリケーションを運用できる。Force.com Sites では、サイト運用に加え、顧客主導による登録、ドメインおよび URL の管理、RSS 配信およびコンテンツ集約といった機能を提供するという。 米国大統領選挙に決着が付いたのに乗じて、ハッカーが大がかりなマルウェア頒布作戦を進行中とのことだ。セキュリティ専門家によれば、米国 Adobe Systemsの「Adobe Flash Player」をアップデートするように見せかけて、セキュリティ対策が不十分なPCにトロイの木馬を仕込もうとするという。 このマルウェア作戦は、民主党上院議員のバラク・オバマ(Barack Obama)氏が11月4日に大統領選を制したことを称賛するスパム・メッセージを利用し、選挙結果の賭けサイトと思われるページへユーザーを誘導するところから始まる。ユーザーがこのリンクをクリックすると、映像を見る前にFlash Playerのアップデートが必要だとする偽のWebサイトへ飛ばされる。  米国Websenseでセキュリティ研究担当副社長を務めるダン・ハバード(Dan Hubbard)氏によれば、このときダウンロードされるのはFlashのアップデートではなくトロイの木馬プログラムで、これに感染するとコンピュータが多種のマルウェアで埋め尽くされてしまうという。同氏は、オバマ氏の名を悪用した今回の攻撃について、「極めて組織的なものであることがうかがえる。入念な計画を立て、選挙の結果が出るのを待ち構えていたのだろう」と述べた。  この攻撃を仕掛けたハッカーは、4日の時点で、「こうしたマルウェアと偽のWebサイトをホスティングするドメインを15〜20個ほど登録していた」と同氏は説明している。さらに、これらのドメインでは、複数のIPアドレスをすばやく切り替える「Fast Flux」という攻撃手法が用いられていた。Fast Flux戦術では、ドメイン名に対応するIPアドレスが次々と変わるため、サーバや所有者・管理者の特定が困難なのだ。  ハバード氏は、今回の攻撃を「現在確認されている中では最も大規模な“電子メール詐欺作戦”」と位置づけている。Websenseは11月5日までに、同じ詐欺メッセージを10万件も検出したそうだ。  NTTデータは31日より、オープンソース統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」(ヒネモス)の新バージョン「Hinemos Ver.3」の公開を開始した。  「Hinemos」は、2005年からオープンソースソフトウェアとして公開されている統合運用管理ソフトウェア。世界で唯一、システム監視とジョブ管理を備えるOSSツールで、エンタープライズ環境で求められるシステム監視やジョブ運用などの一元的なオペレーションが実現可能となっている。  「Hinemos Ver.3」はOSSを活用したシステム運用を大規模システムにも拡大するため、複数のHinemosを連携させる機能や、今後利用機会の増加が見込まれるIPv6への対応など、一層の機能強化が図られた。計画保守時の運用効率向上、Red Hat Enterprise Linux 5への対応も行われている。また「Hinemos」の適用領域の拡大を目的とし、オプションプロダクトの提供も行うという。現在は「Hinemosマネージャ高可用化オプション(2008年11月提供開始予定)」「仮想化環境対応オプション(2008年度内提供予定)」「各種設定簡易化オプション(2008年11月提供開始予定)などの提供が予定されている(「SNMP TRAP MIBインポートツール」「UNIX版Hinemosエージェント」はすでに提供中)。  「Hinemos」のプロジェクトは、OSS開発サイトである「SourceForge.jp」にホスティングされており、「Hinemos Ver.3」およびメンテナンスリリースである「Hinemos Ver.2.4.2」が同時公開されている。  ちなみにHinemosは、10月1日に開始したNTTデータのデータセンタサービス「グリーンデータセンタ共通基盤ITサービス」にて採用されている。今後、同データセンタ上の多くのシステムで、Hinemosが採用される予定となっている。 ソニックウォールは2008年10月31日、メールセキュリティアプライアンス「SonicWALL Email Security」のファームウェア「SonicWALL Email Security 7.0(日本語版)」の提供を開始した。 最新版のファームウェアでは、複数の LDAP サーバーとの連携機能などが強化された。これにより、IT 管理者はユーザーやグループの管理を簡素化できるようになり、マネージドサービス事業者は自社の LDAP サーバーを利用して複数の顧客へ電子メールフィルタリングのホスティングサービスを提供できるようになる。 また、SonicWall GRID Network から収集される差出人の IP アドレス情報に基づき、迷惑メールを配信しているサーバーが接続する瞬間にブロックする機能も加えられた。 「SonicWALL Email Security」アプライアンスは、どのような SMTP メールシステムにも統合することができ、「アンチスパム」「アンチフィッシング」「アンチウィルス」「ゾンビ/スパイウェア プロテクション」の主要4機能を備えているほか、細かいポリシーの管理に対応できる。 『Professional Developer Conference (PDC) 2008』の冒頭で発表した『Windows Azure』によって、Microsoft はアプリケーション ホスティングを提供するすべての企業、特に salesforce.com を敵に回すことになりそうだ。 Microsoft の クラウド インフラ サービス部門ゼネラル マネージャ、Doug Hauger 氏によると、同社が解決しようとしているのは、社内アプリケーションをインターネットに移行する際のスケールの問題だという。同社 CSA (最高ソフトウェア アーキテクト) の Ray Ozzie 氏が27日に発表した Windows Azure について、Hauger 氏は取材に応じ、その背景にあるメリットと戦略を詳しく語った。 「そこにはまだ解決されていない問題がたくさんあるが、解決できない理由はただ1つ、社内システム向けに開発したソフトウェアを、単純にクラウドに落とし込もうとしていることにある。そこで当社が行なったのは、クラウド向けにソフトウェアを構築する手助けをすることだ」と Hauger 氏は述べた。 「主な課題は、開発者が抱えるこの問題を解決するためには、クラウド向けか、社内システム向けか、あるいはその両方か、開発者が選択できるようにしなければならないということだった」 いずれの場合でも、Azure を導入すれば、大規模なサーバー インフラの導入は不要になると Microsoft は主張している。このことは、資金繰りの厳しい昨今、新興企業が新しいアプリケーションをホスティングするために新しいデータセンターを構築することが難しい状況では、とりわけ大きなメリットとなり得る。 サービス型ソフトウェア (SaaS) を提供する salesforce.com のような企業の基本的なセールスポイントは、インフラにかかるコストを削減できることだが、Microsoft ならより包括的なソリューションを提供できると Hauger 氏は述べた。 「現在、市場において当社と同じものを提供している企業はないはずだ。開発者をインフラの悩みからいかに解放するかというのは難しい問題だが、その難しい問題を当社が解決しようとしているということに、人々もようやく気づき始めているだろう」